Column
日本企業の5%しか動けていないRevOps
——その理由と最初の一歩
RevOps / 収益設計 ・ 2026.04.02 ・ 読了目安 4分
Gartnerは「2026年末までに高成長企業の75%がRevOpsを導入する」と予測しています。一方、国内企業の実践率は現在約5%。この乖離は体制や予算の問題というより、「何から手をつければいいかわからない」という出発点の問題によるところが大きいと感じています。動けない理由を整理すると、中小BtoBが最初に取り組むべき一点が見えてきます。
3 Reasons
日本企業がRevOpsを始められない3つの理由
RevOpsはマーケティング・セールス・カスタマーサクセスの3部門が「同じ数字を見て動く」設計です。これはツールの話ではなく、組織の動き方の話です。
各部門が別々のKPIで動いている状態でCRMを導入しても、データは入力されず定着しません。「部門をまたいで誰が何を決めるか」という合意が先にあることが、RevOpsを機能させるための前提条件になります。多くの企業がここに壁を感じて立ち止まっています。
RevOpsを設計しようとすると、「リードとはどの状態か」「商談はどこから始まるか」といった定義が部門間でズレていることに気づきます。このズレがある状態でデータを集めても、どこで詰まっているかが見えません。
マーケが「リード」と呼んでいる状態をセールスは「まだ対象外」と見ていないか
契約後のCSへの引き継ぎで「何が渡っていれば十分か」が共有されているか
解約予兆の定義がCSと経営層で一致しているか
NRIの調査では、統合CX推進は「大きく描く→小さく始める→全社展開」の3ステップで進むとされていますが、多くの企業が第2ステップで止まっています。「試しに設計した、でも現場では使われなかった」という停滞です。
これは規模に関係なく起きる構造的な問題で、「全社で完成形を目指す」という設計より「一点の課題を確実に解消する」ところから始めた方が、結果として展開が速くなります。
First Step
「今どこが詰まっているか」を一点だけ特定する
RevOpsの完成形を描く前に、今もっともコストがかかっている接点の問題を一つ特定することが現実的な出発点です。リードが来ても営業に渡っていない、既存顧客の対応が担当者依存で属人化している、データが複数ツールに分散して全体を誰も把握していない——こうした症状の中で、最も業績への影響が大きいものを一つ選んで動き始めると、他の問題が連鎖的に見えてきます。
日本でRevOpsの実践率が低い理由は、能力や予算より「始め方の設計」にあります。全部をやろうとせず、一点から動くことが、結果として最も早く全体に波及します。